瀧嶋の目Takishima's Eye

瀧嶋 誠司
(株式会社オズペック会長)

大手ゼネコンに入社し、企業留学でMBAを取得した後、経営コンサルタント、教育サービス産業(上場)及び建設系企業(未上場)で取締役を10年経験する。2005年、MBOにより株式会社オズペックを設立し、代表取締役社長に就任。2023年12月より現職。
経営コンサルタント、経営企画・管理、人事・総務、営業・販促・営業管理、企業統治(取締役3社経験、計10年)

#_30拍車がかかる人口減・・・維持が難しくなる建設業界

6月、厚生労働省より、2023年の出生数(日本人)は72.7万人(前年比▲5.6%)、合計特殊出生率は過去最低の1.20であったことが公表されました。さらに、2024年の出生数はさらに減少して、70万人を割り込む公算が大きいとの予測です。この数字は筆者の年齢での出生数の半分を遥かに下回ります。

近年、急速に進む出生数の減少は、若い世代の人口減少に加え、婚姻率や有配偶出生率の低下といった結婚、出産に対する思考・行動様式の変化の影響が顕著とされています。とりわけコロナ禍に婚姻数が大きく減少したことの影響は大きいようです。

画像はイメージです

特に建設業界は、深刻化する人手不足が、その最大の供給制限となってきております。

土木分野では、インフラ施設の維持が年々難しくなってきております。新規投資は抑制され、既設インフラへの安全投資を国・地域で真剣に考える時期にきていると思います。
建築分野では、ビル建替え工事が先送りされるケースが相次いでいます。足元の国内建設(建築)受注額は過去20年間で最高額になっておりますが、今後は人手不足(供給制限)で受注量の減少が見込まれそうです。さらに、元請け企業を支える中小建設業者の倒産件数も増加してきています。膨らむ建設需要に応えられなければ、都市計画にも影響がでてきます。

建設業界に従事する、もしくは、目指す若者は、"新"金の卵と言えるでしょう。

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