瀧嶋の目Takishima's Eye

瀧嶋 誠司
(株式会社オズペック会長)

大手ゼネコンに入社し、企業留学でMBAを取得した後、経営コンサルタント、教育サービス産業(上場)及び建設系企業(未上場)で取締役を10年経験する。2005年、MBOにより株式会社オズペックを設立し、代表取締役社長に就任。2023年12月より現職。
経営コンサルタント、経営企画・管理、人事・総務、営業・販促・営業管理、企業統治(取締役3社経験、計10年)

#_29改めて注目される東北エリア・・・次世代分野での建設投資が続くか

半導体投資の視点では、TSMCに象徴される九州エリアや国産先端半導体Rapidusの北海道が注目されていますが、実は東北エリアが半導体の集積エリアである事はあまり知られていません。

かつては「シリコンロード」と呼ばれた東北ですが、今でも東北6県に700を超える製造・開発拠点が集積し、世界シェア上位の関連企業が数多く存在しているのです。なんと製造品出荷額ベースでは、国内全体の2割弱を占めています。

半導体デバイスならびに半導体素材・製造装置ともに、在庫消化も進み、AI・データセンター投資による需要回復もあり、新たな建設投資が進んでいます。

宮城県大衡村の台湾半導体受託製造大手のPSMCに注目がいきますが、青森の富士電機(SiCパワー半導体)、岩手のキオクシア(NAND型フラッシュメモリー)、山形のソニーSMC(CMOSイメージセンサー)とルネサスエレクトロニクス(マイコン)、福島の信越化学(シリコンウエハ―)、半導体製造装置では東京エレクトロンやアドバンテストが宮城に製造開発拠点を構えるなど、例を挙げれば、枚挙にいとまがありません。

建設投資の増加にともない、建築系以外、特に設備系のエンジニアに対するニーズは旺盛となっております。

写真はイメージです

半導体分野だけではありません。実は東北は、再生可能エネルギー発電の集積エリアでもあるのです。メガソーラー・陸上風力のみならず、特に洋上風力、そして地熱・バイオマス発電の建設計画も多く抱えております。

東北エリアはどうしても震災復興や原発事故処理(除染)に目が行きがちですが、実は将来有望な建設投資エリアです。建設系技術者への期待は高まっています。

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