大手ゼネコンに入社し、企業留学でMBAを取得した後、経営コンサルタント、教育サービス産業(上場)及び建設系企業(未上場)で取締役を10年経験する。2005年、MBOにより株式会社オズペックを設立し、代表取締役社長に就任。2023年12月より現職。
経営コンサルタント、経営企画・管理、人事・総務、営業・販促・営業管理、企業統治(取締役3社経験、計10年)
建築建設投資や民間建築受注の状況をみると、大型物流倉庫からデータセンター、そして、半導体工場(ならびにその関連)建設にトレンドが変わってきている様です。先ずは、日本における半導体産業への政策支援の状況を整理してみましょう。
<大型投資>
・「半導体・デジタル産業戦略」のもと、長期的な戦略分野と位置付け、今後10年間で官民合わせて10兆円規模を投資する方針
<生産売上高目標の設定>
・国内半導体生産売上高を2030年に15兆円超に拡大させる方針(2020年比で約3倍、世界半導体市場を上回る成長ペースを目標)
<半導体サプライチェーンの強化>
・「Rapidus(ラピダス)」の設立支援など、国策として先端半導体の国産化を目指す
写真はイメージです
2024年2月、世界最大の半導体受託生産会社(ファウンドリー)である台湾・TSMCは、熊本工場の稼働を開始しました。既に第2工場も建設予定で、第1と第2工場併せて投資額は3.4兆円に上ると言われています。日本における半導体再興は熊本から始まりましたが、現在日本各地で半導体工場の新設が相次いでおります。発表されている主なものは次の通りです。
これらに加え、半導体部素材メーカーの投資も活発化してきています。
(イビデン:岐阜・パッケージ基板、2500億円/SUMCO:佐賀・最先端シリコンウエハー、750億円など)
半導体は大変裾野が広い産業と言われております。よって、建設投資への波及効果も大きくなります。また半導体製造のみならず、元々日本が強いとされた部素材や製造装置分野での建設投資も期待されます。また、半導体製造には、大量の電気と水が必要となります。それらに関連するインフラ投資も建設予定地で活発化していくでしょう。
半導体製造に関連した建築・設備技術者だけでなく、生産施設建設に関わる経験者に対するニーズは高まってきております。また、建設後の設備・施設管理に関しても需要は大きくなると思われます。