瀧嶋の目Takishima's Eye

瀧嶋 誠司
(株式会社オズペック会長)

大手ゼネコンに入社し、企業留学でMBAを取得した後、経営コンサルタント、教育サービス産業(上場)及び建設系企業(未上場)で取締役を10年経験する。2005年、MBOにより株式会社オズペックを設立し、代表取締役社長に就任。2023年12月より現職。
経営コンサルタント、経営企画・管理、人事・総務、営業・販促・営業管理、企業統治(取締役3社経験、計10年)

#_25洋上風力発電への期待・・・浮体式での事業実現がカギ

政府は2020年に「2050年カーボンニュートラル」を掲げ、官民一体となった脱炭素社会に向けた取り組みに邁進しています。その中で最も着目されているのが「洋上風力発電」です。

陸上での適地が限られる中、陸上に比べてより強い風力を得られ、かつ、海に囲まれている日本にとって設置の為の広い場所を確保できる洋上風力発電への期待は高いものがあります。

「再エネ海域利用法」の施行状況をみると、

①北海道石狩沖から東北日本海側沖合に至るエリア
②千葉銚子/九十九里浜沖合のエリア
③九州北部沖合(福岡・佐賀・長崎)のエリア

にその設置(予定)エリアは集中しています。

特に①のエリアは事業化されたものも含めて事業が目白押しの状況であり、このエリアの新たな産業として期待されています。浮体式については現在、長崎県五島市沖が注目を浴びています。しかしながら、「領海内の沖合」といったエリアだと海上と言っても思った以上にエリアが限定されるのが現状です。

写真はイメージです

ここにきて政府は、洋上風力発電所の設置場所を現行の領海内から排他的経済水域(EEZ)に広げる方針を掲げました。これにより洋上風力のエリアは領海と比べて最大10倍に増える事なります。ここでカギを握るのが、浮体式です。現在は海底に固定する着床式が主流ですが、EEZまで範囲を広げると深い海域にも対応できる浮体式が主流になるであろうとの見通しです。洋上風力、特に浮体式ですと、今まで以上に海上での建設行為、ならびに、メンテナンス面での課題が大きくなりますが、その分新たな産業として裾野が広がる可能性を秘めています。

近年、洋上建設を見越したSEP船(自己昇降式作業台船)の建造や風力発電企業そのものを買収する大手ゼネコンの動きが目立ってきています。並行して、発電所建設経験者のみならず海上土木や海上建設経験者を求める動きも活発化してきております。

洋上風力は、建設業界としても、数少ないブルーオーシャン分野として期待されています。

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