瀧嶋の目Takishima's Eye

瀧嶋 誠司
(株式会社オズペック会長)

大手ゼネコンに入社し、企業留学でMBAを取得した後、経営コンサルタント、教育サービス産業(上場)及び建設系企業(未上場)で取締役を10年経験する。2005年、MBOにより株式会社オズペックを設立し、代表取締役社長に就任。2023年12月より現職。
経営コンサルタント、経営企画・管理、人事・総務、営業・販促・営業管理、企業統治(取締役3社経験、計10年)

#_20建設2024年問題・・・ゼネコン各社受注を絞る動き

2024年春に適用される時間外労働の上限規制をにらみ、ゼネコン大手各社で受注を絞り込む動きが強まっているとのことです。受注段階で週休2日が確保できる工事を原則とするなど、労働時間の縮小で今後は工期の長期化は避けられないようです。

2024年4月からは時間外労働が年360時間、労使合意があっても720時間などの上限が課され違反企業には罰則が科せれます。日建連によると、22年度に上限規制を超過した非管理職の建設従事者は2割を超えているとのこと。時間外労働の削減には週休2日の完全実施が必要不可欠となりますが、日建連の調査でも特に建築においてはいまだ3割実施に過ぎないのが現状のようです。

今回の改正では違反に対する罰則も強化されますので、週休2日制の完全実施、残業時間削減(年間労働時間の削減:現状では建設業の年間労働時間は全産業平均よりも268時間も長い)は進むでしょうけれど、工期の長期化と費用増も一層進むと思われます。並行して、競争力のある大手は、受注の選別化進めていくことになると予想します。この選別化は年収にプラスに働くと思われます。

採用の面でも、週休2日の実現、長時間残業の解消を強くコミットできる会社が優位になる事は言うまでもありません。

--
(コラム「瀧嶋の目」は、木曜日に更新します。お楽しみに!)

Backnumberを見る