大手ゼネコンに入社し、企業留学でMBAを取得した後、経営コンサルタント、教育サービス産業(上場)及び建設系企業(未上場)で取締役を10年経験する。2005年、MBOにより株式会社オズペックを設立し、代表取締役社長に就任。2023年12月より現職。
経営コンサルタント、経営企画・管理、人事・総務、営業・販促・営業管理、企業統治(取締役3社経験、計10年)
初任給を大幅に引き上げている企業が相次いでいます。2023年度の初任給伸び率を見ると、建設や運輸業界、情報ソフト、通信業界での引き上げが目立っています。
特に建設業界の引き上げは顕著で、長年賃上げを凍結していた反動もあるとはいえ、30%以上引き上げた企業も出てきているのです。
問題は、この引き上げが採用に繋がっているかどうかです。建設業界の経営者や人事担当者に状況をお聞きすると、採用計画未達のところが多く、中堅企業・中小規模企業に至っては、新卒採用が0と言う企業も珍しくありません。企業風土や働き方改革、DX推進など、頑張っている企業が多いのですが、それが学生に伝わっていない、つまり、定着してしまったマイナスイメージを払拭できていない感じがします。
建設業界は平均年齢が高い企業が多いので、想像以上に学生と採用担当者に距離感があるのかもしれません。学生としては、上がつかえていて下積み期間が長く、若い期間での成長が期待できないと感じてしまっているのでしょう。この印象をいかに払拭していくかが課題だと思います。思い切って、採用活動そのものを若手社員に委ねるのも一つの手かもしれません。
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(コラム「瀧嶋の目」は、毎週木曜日に更新します。お楽しみに!)