大手ゼネコンに入社し、企業留学でMBAを取得した後、経営コンサルタント、教育サービス産業(上場)及び建設系企業(未上場)で取締役を10年経験する。2005年、MBOにより株式会社オズペックを設立し、代表取締役社長に就任。2023年12月より現職。
経営コンサルタント、経営企画・管理、人事・総務、営業・販促・営業管理、企業統治(取締役3社経験、計10年)
生産活動を中心になって支える15~64歳の人口、つまり、生産年齢人口は少子高齢化に伴い年々減少している・・・1995年は生産年齢人口8176万人で総人口に対して69.5%、これが2023年には7400万人の59.4%。この傾向は、今後も続き、2053年予測では、総人口が1億人、生産年齢人口5160万人の51.6%になると予測されている。
さらに、年間実労働時間も減少しているのが、この問題に拍車をかける。働き方改革、生産性向上の結果と言いたいところだが実態は違うようだ。日本の年間の実働労働時間は、国比較で第28位の1633時間。これは、ギリシャ、イタリア、スペインよりも低い数値である。一番の理由は、短時間勤務の傾向にあるパート・アルバイトの非正規雇用者の増加である。(皮肉な事に、労働参加率は上昇傾向にある。主要国比較でも高い数値となっている。)
大きな生産性向上改革でもない限り、生産年齢人口と実労働時間が減少している状況下では、労働供給力が大きく不足するのは明らかだ。インフラを支える建設業で労働供給力が低下すれば、公共インフラそのものが維持できなくなる。
ちなみに、賃金時給は上昇傾向にある。これが、付加価値の増大に繋がっていればいいのだが、そうでなければ賃金上昇も長続きはしないだろう。
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(コラム「瀧嶋の目」は、毎週木曜日に更新します。お楽しみに!)