大手ゼネコンに入社し、企業留学でMBAを取得した後、経営コンサルタント、教育サービス産業(上場)及び建設系企業(未上場)で取締役を10年経験する。2005年、MBOにより株式会社オズペックを設立し、代表取締役社長に就任。2023年12月より現職。
経営コンサルタント、経営企画・管理、人事・総務、営業・販促・営業管理、企業統治(取締役3社経験、計10年)
全国の公立・私立大学の3割で理工農分野の学部新設や定員増を検討している事が、文部科学省の調査で分かったとの記事が日経新聞に掲載されておりました。デジタル化・脱炭素化を進める上で、圧倒的に理系人材が不足しているのが背景にあります。今更遅い感じはしますが、ここで大きな2つの疑問があります。理工農系への進学は進むのか(理系に進学するのか)、誰が教えるのかという事です。根本背景にあるのは、小中高での理数離れであり、そもそも理工農分野での大学研究者・教員数も減少してきています。海外から招聘しようとしても、もはや年収的に折り合わないと思います(円安も進行してますし・・)。
理系研究者や技術者・エンジニアに対する社会的地位、報酬が低いのが根本にあると思います。理系人材の待遇改善が急務と考えます。
技術立国と言われたのはとうの昔です。データ集計年度によりますが、OECD加盟国中、男女共に理系進学割合は最下位といった状況です。全体で約3割、男性で30%後半、女性にいたっては10%前後(最新データでは伸びている様ですが)といった感じです。
これに出生数低下のインパクトを加えると、理系人材数は加速度的に減少しています。大卒以上の理系人材の将来予測は、
・理系人材数予測=出生数(↘)×大学進学率(→)×理系進学率(↘)
で表せますが、この大学進学率についても、世界49位で年々低下傾向にあります。
この中で人材の取り合いが発生しますので、建設業界に進む理系人材は言うまでもありません。
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(コラム「瀧嶋の目」は、毎週木曜日に更新します。お楽しみに!)