瀧嶋の目Takishima's Eye

瀧嶋 誠司
(株式会社オズペック会長)

大手ゼネコンに入社し、企業留学でMBAを取得した後、経営コンサルタント、教育サービス産業(上場)及び建設系企業(未上場)で取締役を10年経験する。2005年、MBOにより株式会社オズペックを設立し、代表取締役社長に就任。2023年12月より現職。
経営コンサルタント、経営企画・管理、人事・総務、営業・販促・営業管理、企業統治(取締役3社経験、計10年)

#_07ダイレクトスカウトの罠・・・かえって採用コストが増大か

ダイレクトスカウトを導入している企業が増えてきています。会社によっては、採用企業からの「プラチナスカウト」という名称だったり、「企業スカウト」という名称だったりします。

建設業界に絞った状況でお話しますと、結果、採用担当者の負担が増大して大変だという声が圧倒的に多いです。(ダイレクトスカウトシステムへの)支払コスト増大もありますが、採用担当者(採用予定部門)の労力増大がより問題のようです。ひいては、通常業務に支障が出ていると言った始末です。

ある会社では、採用1名に対して、100名をスカウトし面接に至ったのは5名程度、数名に打診をして、結局、全員辞退という結果だったと聞いております。数社同様な状況で、弊社にご相談に来られる企業もあります。

また、ダイレクトスカウトでは、エージェントによる仲介・調整機能が働かず、最終的に本人辞退で入社に至らないケースも多いようです。最近、採用・入社のクロージングを弊社に御依頼される企業様もいらっしゃいます。

企業から直接スカウトしたら決まるのではないかと思い(CMの影響も大きいですが)、ダイレクトスカウトを試みたが、これなら業界専門のエージェントに任せておいた方が良かった・・・本当に人材がいない事が身に染みてわかった・・・という声も。

求職者状況(転職希望者状況)を理解する上ではいいとは思いますが、あまりお勧めではないですね。

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(コラム瀧嶋の目は、今後、毎週木曜日に更新します。お楽しみに!)

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