大手ゼネコンに入社し、企業留学でMBAを取得した後、経営コンサルタント、教育サービス産業(上場)及び建設系企業(未上場)で取締役を10年経験する。2005年、MBOにより株式会社オズペックを設立し、代表取締役社長に就任。2023年12月より現職。
経営コンサルタント、経営企画・管理、人事・総務、営業・販促・営業管理、企業統治(取締役3社経験、計10年)
瀧嶋:
福田リニューアルは大変面白い会社だと感じています。新設の建物を作ってスクラップアンドビルドしていくという時代は、もう終わりにしないといけないですよね。福田リニューアルは、これからの時代に求められる企業だと思うのです。まず初めに、福田リニューアルのこれまでの歩みについて、教えていただけますでしょうか。
成田氏:
創設は今から25年前の1996年です。最初は4人でスタートしました。当時としては、かなり先見の明があったと思いますが、これからはリニューアル事業も高めていこうという考えがあったんですね。しかし、バブル崩壊後でもあり、当初は大変苦労しました。
大きな潮目となったのは、リーマンショックです。リストラの波があり、ゼネコンの技術者が集まってきてくれたんですね。そこから、お客様のご要望に応えられる技術者集団としての形ができてきました。
その後も紆余曲折ありましたけれど、今は社員60名という規模の会社になっています。
瀧嶋:
驚くべきは、さまざまな建築用途に対応している点です。お客様の業種が本当に幅広いですよね。
成田氏:
昨年の80億の売り上げの内訳は、事務所系、店舗系、住宅系、ホテルなどの宿泊娯楽系、工場・倉庫、官公庁、教育施設、病院医療など多岐に渡ります。今、いろいろなところから仕事の引き合いが来ております。
その理由としては、総合建設業としてゼネコン出身の社員が多いというのが一番ですね。 建物の基礎から、躯体、仕上げ、電気設備、機械設備等すべてに渡ってものづくりを知っている技術者が在籍しています。。
さまざまな建築用途に対応する
瀧嶋:
建物の調査診断から始まって、設計、改修、アフターサービスまでワンストップで対応できる会社はなかなかないと思います。
成田氏:
リニューアルの場合、新築ではないので、まずは既存の建物を調査し、違法性がないか耐震性はどうかなど、評価をしないといけません。その建物を熟知した上で提案をさせていただくので、外壁を直したかっただけのお客様も、設備も見直してくれないか、などといった新たなご要望が出てきたりするのです。そうして仕事が広がっていった感じですね。一度工事が終わっても、その後、ガラス一枚の交換からも対応できますので、オーナー様の建物のお世話は任せて欲しいという自負があります。
弊社の場合、お客様のリピート率がすごく高いんですよ。
総合的に対応できるところが評価につながっていると思います。
瀧嶋:
ただ、これからは、単なる改修だけではなくて建物のバリューアップも期待されるところがありますよね。
成田氏:
事務所からホテルにコンバージョンしようとか、耐震性を強化したいとか、付加価値を高めるようなオーダーが増えていますね。
また、これからはSDGsに代表されるように、環境に配慮した建物を求めるオーナー様も増えてくると思うので、新たな提案ができるように頑張っているところです。
瀧嶋:
今、具体的には、どのようなニーズが多いのでしょうか。
成田氏:
コロナの前は、インバウンドに対応するためのホテルの需要がすごくありました。あとは、海外からの投資が盛んだったので、投資物件の改修の仕事も多かったですね。
あまりにその比率が高まってしまったので、それを考え直していたところで、コロナとなり、ホテルの仕事がぱったりと止まってしまいました。
コロナ禍で増えたのは、巣ごもり需要に対応する仕事です。
スーパーの店舗の改修工事がかなり増えました。今、ひっきりなしにお仕事をいただいております。それから、アマゾンに代表されるような物流関連ですね。この分野への投資も、今すごく増えています。
経済の動きに合わせて、あるものがなくなっても別のところが盛り上がる。
リニューアル会社の経営としては、非常にうまくいっている状況ですね。
付加価値を高めるようなオーダーが増えている
瀧嶋:
御社の強みをどのように捉えていらっしゃいますか?
成田氏:
やはり人です。
社員に任せる範囲が大きいので、若手も早く成長できます。
技術力の高い社員が多いというのが、まず第一の強みです。
それから、一部上場企業である福田組のグループ会社ということも強みだと思います。
経営が安定しますし、いろいろな連携も図りやすいです。
ただ、親会社があるといっても、人事や給与は私ども単独で決められるので、業績がよければきっちりと給与や賞与に反映していきたいと思っています。
それからお客様のリピート率が高いので、安定的な受注基盤があるところも強みと言えるでしょう。
瀧嶋:
経営理念にもこだわりがあるそうですね。
成田氏:
はい。
経営理念として3つ掲げています。
まずひとつ目が
お客様第一で、高い技術力をもってお客様の満足を勝ち取るということ。
2つ目が
あくまでその結果として、我々はお給料をいただき、家庭も個人も物心両面の豊かさが得られるということ。
そして、3つ目が
そうしてお客様に尽くしていくことで、建設を通じ、広く社会に貢献していくということ。
この3つの理念を念頭おいて、仕事で実践していこうと日々言っています。
瀧嶋:
これまで、弊社とお取引していただく中で、御社は非常に風通しのいい社風だと感じます。
これは、どのようにして実現しているのでしょうか。
成田氏:
これがなかなか難しいんです。
一番大切なのは、お客様とのトラブルやクレーム、現場における事故など、嫌なことを早く報告できるかどうかです。
これをガンガン叱りつけたり、降格などしてしまうと隠したくなりますよね。
私の信条としては、社員にはプロとしての誇りを持ってもらいたいので、大勢の前で叱ったりすることはありません。
私にも至らないところはあるので、お互い様です。
失敗やクレームをきちっと報告してもらって、その対処法を一緒に考える。
これまでやってきたことが、少しずつ浸透してきているのかもしれません。
瀧嶋:
離職率も非常に低いですよね。
成田氏:
離職率が低いと、社員自体の実力も付いてくるんですよね。
実力が付いてくると、お客さんにより大きな価値が提供できるようになって、喜びが増していく。さらに、給料も上がっていけば、個人の満足度も高まっていくと思うんですよね。
風通しのいい社風と低い離職率も魅力
瀧嶋:
採用したい人材のイメージ像はどのようなものがありますか?
成田氏:
指示待ちにならずに、率先して行動する人材ですね。
もうこれは口酸っぱくしていっているのですが、失敗を恐れずどんどんチャレンジしてもらいたいんです。
失敗しても給料を減らすような会社ではないので。
あとは、技術者、専門家としての誇りやプライドを持ってもらいたいと思っています。
そんな人物像を期待しています。
瀧嶋:
大阪にも営業所がありますよね。今後の拠点戦略などはどのようにお考えですか?
成田氏:
全国展開をされているお客様も多くなり、関西の商圏が大きかったため、大阪に営業所を作りました。
ぜひ、大阪の地に足をつけて働いてくれる方も募集中です。
今、東京も大阪も、多くの引き合いをいただいておりまして、設備、電気、設計、営業など多くの職種で人材を絶賛募集中です。
他の拠点も、チャレンジしたいという人材がいれば、開設していきたいと思っています。
瀧嶋:
多岐にわたるお客様のニーズには、どのように応えていらっしゃるのでしょうか?
成田氏:
我々は技術屋だからといって、ものづくりだけ提案すればいいというものではありません。
例えば、保育園を作る際に、そこで過ごす園児のことを想像できるかどうか。
倉庫を作る際に、そこで働く人のことに思いを馳せられるかどうか。
これが、これからの会社や社員の価値を決めると思っています。
経営理念にあるように、最終的には社会に貢献しないと仕事の意味がないと思っていますので。
そういう思いを持ってお客様と一緒に考えられるようになると、お客様がいろいろと教えてくれるんですね。
そして、我々を成長させてくれるのです。
すべての現場がそうだとは言えませんが、お客様のリピーターが多いのも、こういうところが評価されてのことだと思います。
瀧嶋:
最後に求職者の方にメッセージをいただければと思います。
成田氏:
若い方の価値観は時代とともに変わってきていますが、私はそれは正しいと思うんですよね。仕事オンリーではなくて、家庭に費やせる時間も欲しいはずです。しかし残念ながら、建設業界にはまだまだ古い価値観が残っています。職場環境の改善は、待ったなしでやらなければいけないと思っています。
うちの会社では、必ず成長するということをお約束いたします。
一生懸命さがあれば、経験のない方でも大丈夫です。
私も今年で60歳になったので、そろそろ次世代への引き継ぎを考えなければいけません。
みんなで福田リニューアルという会社を作り上げていただけることを期待しています。
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