#_special人事とデジタルで建設業界の発展に貢献
すべての人が安全でいきいきと働ける職場づくりを目指す

COMPANY DATA
エープラス株式会社

エープラス株式会社

https://apbi.co.jp/
設立
平成29年1月18日
資本金
1,100万円
本 社
〒150-0012 東京都渋谷区広尾1-11-2 アイオス広尾406
事業内容
・人事コンサルティング
・建築設計・監理
・プロジェクトサポート

建設業界において、女性が働き続けることは難しいというイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。近年、女性の働きやすさへの関心が高まる中、建設業界各社でも、さまざまな取り組みが始まってきています。BIMなどのデジタル化が進むことで、女性が活躍しやすい環境も整いつつあります。

そんな中、女性の働きやすさのみならず、「すべての人が安全でいきいきと働ける職場を建設業に」をコンセプトに「人事」と「デジタル推進」の二つの軸で事業を展開するエープラス株式会社。代表である鈴木敦子氏は、自身も建設業界でやりがいを持ちながら働いていましたが、ライフイベントの変化によって、その仕事から離れざるを得なかった経験をお持ちです。そんな経験が、2017年の起業を決断した理由だといいます。

今、建設業界において、デジタル化を推進し、働きやすさを高めるためには、どのようなサポートが必要なのでしょうか。話をお伺いしました。


代表取締役鈴木 敦子

誰もが働きやすい職場づくりを意識

OS-NAVI:
はじめに、御社の事業概要を教えていただけますでしょうか。

鈴木氏:
「すべての人が安全でいきいきと働ける職場を建設業に」をコンセプトに、建設業界の人事コンサルティングをメインとした事業を展開しています。自分のキャリアの経験から、ICTを使ったテレワークの推進などによる、誰もが働きやすい職場作りを意識しています。また、2019年からは、建築設計事務所も立ち上げ、二本立てで事業を行っております。

OS-NAVI:
どのような課題意識が、起業のきっかけとなったのでしょうか。

鈴木氏:
10年のブランクののち、建設業界に復職したのが2015年でした。施工図会社での新卒採用担当だったのですが、ここで知ったのが、業界の人材不足の深刻さです。また、BIMの存在を知ったのもこの頃でした。10年後にはBIMが当たり前になるだろうと考え、BIM人材の創出に取り組みたいと思ったのがまず一つの課題でした。

また、エープラスは、製薬会社の人事で育児中に健保に出向になった女性と出資しあってできた会社なのですが、彼女から「健康経営」なる言葉を知りました。これが、建設業界でなかなか進まない働き方改善へのきっかけとなると確信し、「健康経営」を業界に広めたいと考えました。

私自身も、やりがいを持って建設業界で働いていたのですが、子どもが生まれてやめざるを得なかったのです。当時は、自分で勝手にそう思い込んでいたのですよね。キャリアが分断されてしまったけれども活躍できる女性は、他にも多くいると思います。そういった方を対象にテレワークなどで復職へのサポートができないかとも考えました。

こうしたことが、2017年の起業へと繋がっていきました。

OS-NAVI:
東京理科大の建築学科を卒業されています。なぜ、建築を学ぼうと思ったのでしょうか?

鈴木氏:
実家が不動産屋だったのが大きいですね。たくさん送られてくるB4の物件情報や住宅地図を眺めるのが好きでした。また、中高生時代がバブルの真っただ中で、都庁などの大きな建築が建つのを見て、建築家はかっこいいと思ったりしてたんですよね。

ただ、大学に入ってみると「設計」がどうしても苦手で、卒論の研究室は環境工学にしました。ここは解析作業が多く、PCをガリガリ触るようなところで、オタク気質の自分にはとても合っていましたね。

また、産後に入社した施工図会社もいい経験でした。建築の仕事には、さまざまな専門業社があるということを知りましたし、人の生活に深く関わりのある業種だと改めて感じました。

私は、「建築」好きというより「建設業界」好きなのです。

女性の働きやすさは改善してきている。ただし、上長の理解が必要。

OS-NAVI:
建設業界における女性の働き方の課題として、どのようなものがあるとお考えでしょうか?

鈴木氏:
まず、女性、男性というのは、「ひとつの個性」だと思っています。
なので、この個性を伸ばすために職場環境の改善が求められているのです。

ただ昔は、男性ばかりの現場などでは、トイレや更衣室がないなどの問題は確かにありました。しかし、最近では、女性活躍推進法をはじめとする法改正などもあって、課題は改善してきていて、現場にもだいぶ女性が進出してきています。

とはいえ、上長の理解は必要ですね。いろいろな制度があっても、理解がなければ使いづらいという声も聞きます。また、納期に追われるような厳しい労働条件では、ワーキングマザーはどうしても難しいです。男性女性問わず、個々の事情を汲みながら業務を棲み分けることは、今後も必要となるでしょう。

女性、男性は、「ひとつの個性」。現場にもだいぶ女性が進出してきている。

思い込みを変える「マインドチェンジ」がDX推進の鍵

OS-NAVI:
早くから「デジタル推進」を軸に事業を進められてきました。建設業界のデジタル化の現状についてどのように見ていますか?

鈴木氏:
最近はDX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉がよく言われるようになりましたが、建設業界でのDXは、まだまだ理解も追いついていない印象を持っています。DXの前に、まずはデジタルに強い人材を育てる必要がありますね。RPAやロボット化、AIなどでの省力化は根付いてきましたが、DXの取り組みに対しては「変化へのアレルギー」が足枷となっているように思います。

起業した2017年、息子が大学入学して車の免許を取る際に、「オートマでいい」というのでびっくりしたんですよね。男の子なので、マニュアルが当たり前だと思っていたのです。「これから自動運転になっていくのにマニュアルなんていらない」と言いきりました。世の中のニーズや価値観が大きく変わっているのを子供の柔軟性から教えられたこの経験は、こうした思い込みを変える「マインドチェンジ」が必要であるという企業理念にもつながっています。

OS-NAVI:
国土交通省は「2023年までに小規模を除く全ての公共事業にBIM/CIMを原則適用」と決めました。大手ゼネコンが取り組みを推進する中、中小企業はどのように対応すればいいのでしょうか。

鈴木氏:
経営者がきちんと目標を持って、トップダウンで進めることが大切だと思います。その際に、経営者と現場をつなぐ役割を担う人材が必要です。そのサポートができればと思っています。また、BIMのアプリ操作だけでなく、BIMデータやプロジェクトをマネージメントできる人材の教育も重要です。さらには、デジタル化が進むことで働き方が大きく変わるので、その際には、人事制度も見直す必要が出てくるでしょう。

こうしたことに、我々がお手伝いできることがあるのではないかと考えています。

思い込みを変える「マインドチェンジ」が必要だと話す鈴木氏。

人を大切にしない会社は、選ばれなくなる

OS-NAVI:
今は健康経営などにも、多くの企業が関心を持ち始めていますね。

鈴木氏:
経済産業省が健康的な経営を推進する企業を認定する「健康経営銘柄」があるように、社会課題に取り組まない会社は投資家や株主から評価されなくなり、淘汰されるでしょう。人を大切にしない会社は、選ばれなくなるのです。

私たちの特徴はより広い視野で提案ができることです。我々だけでなく、いろいろな会社の叡智を集めてコラボレーションさせていきたいですね。こうした協業をまとめるのが、建設業界オタクである私の強みだと思っています。

OS-NAVI:
最後に、建設業界に興味を持っている求職者の方にメッセージをお願いいたします。

鈴木氏:
その会社が働きやすい会社かどうかを判断するには、離職率や女性の活躍している人数など、データをきちんと見ることが大切です。そういう意味で、オズペックのような専門の仲介会社に一度は相談してみた方がいいと思っています。

建設業界は、本当に多くの業種が存在していて、人の生活に深く関わる仕事なんですね。身近なニュースと自分の仕事が紐づくことも多く、仕事のやりがいにつながるはずです。

ぜひ、建設業界の面白さを見つけてほしいと思います。

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