水上 雄一朗 (ミナカミ ユウイチロウ)

オズペック設立時からのメンバー。前職では建設コンサルタント会社で人事・採用を担当していた。採用する側としての経験から、書類選考から面接、内定まで採用の流れを熟知する。何が合否を分けるのか、どうすれば合格の可能性が高まるのか、などの具体的なアドバイスは定評がある。

#_07表彰より嬉しい「貼り絵」

昨年、実家で片付けをしていたら、クローゼットに小学生の時に作成した貼り絵が見つかり懐かしいなと思いながら自宅に持ち帰りました。

趣味で祖父が水墨画、父が休日に油絵を描いていたので、その影響なのか幼い頃から絵を描くことが好きでした。また、子供の頃から美術館で開催される西洋絵画の展覧会には、父親と一緒によく出掛けて期間限定の有名画家の作品を観覧していました。

小学4年生の夏には郵便局が主催するスケッチ大会の希望者を小学校で募っていたため、興味があり参加しました。ただしクラスメイトは参加しておらず、日曜日にひとりで集合場所にいき、公園から見えるNTTの基地局をバックに描きはじめました。締め切りは当日の16時までに絵を仕上げなければなりません。

何度も郵便局主催者の方が状況確認にやってきます。午前中は「上手だね」と褒められることが多かったのですが、想定していたよりも公園風景を描くのに時間がかかり、残り3時間になり始めた頃から「早く色を塗らないと間に合わないよ」と言われ、自分が納得するまで何度もパレット上に絵の具を何種類も混ぜていると、再度主催者の方から「白色と青色だけ混ぜればいいよ」と伝えられ、私は「時間がないのは分かっているんだけど…」と感じながら、残り1時間は妥協して色を混合わせながら仕上げて提出しました。

※写真はイメージです

数日後、担任の先生からホームルーム時間にそのスケッチ大会で獲得した優秀賞の賞状と盾を頂きました。また数ヵ月、郵便局に飾ることになり、先生から「お母さんと一緒に見に行ってごらん」と言われましたが、放課後、友人が「見に行こう」と言いだし、郵便局に見に行きました。すると友人から「数ある絵の中で一番左上に飾られてすごい」などと言われましたが、私は「本当に飾ってあるんだ」と思うだけで嬉しさはなかったです。なぜなら、妥協した色が納得してないからです。 描いた絵は残っていませんが今でも鮮明に絵の風景、色彩は覚えています。

さて、冒頭の実家から持ち帰った貼り絵は、小学6年生の時に卒業記念で作成した貼り絵です。4月から夏休みにかけて作成したもので、2学期から6年生全員分の個々の貼り絵が学校で購入した額縁に入れられ校内中の廊下に飾られます。私の貼り絵は校舎入口の職員室の前に飾られました。通常は卒業式のときに全員持ち帰りますが、私の貼り絵は学校始まって以来、卒業後も1年間、引き続き飾ることになりました。
理由は次年度の6年生が作成する際に模範作品で展示したいとのことでした。 私の中では4年生のときに獲得したスケッチ大会の表彰より嬉しかった出来事です。

最後に

今では絵を描く機会もなくなりました。定年後は水墨画でも始めようかなと思うこの頃です。また最近は、ひとりで有名建築家の建築構造物を見たりしています。

「好きこそ物の上手なれ」という言葉がありますが、建設業の技術者も仕事とは言え、技術に対して興味を持って熱心に取り組み、技術力を高めることに自発的に努力し続けることが苦にならないため、自然に上達が早く、更なる技術力を身につけることができるのだと考えております。

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