#_17追悼 アラン・ドロン 男の友情を描いた犯罪映画『さらば友よ』がおすすめです

フランスを代表する俳優、アラン・ドロンが亡くなりました

例年の通り、夏は興行的な観点から、ファミリー向けや子供向けの作品が多く、この一カ月ほど新作を観ておりません。
コラムに書く内容を迷っていたところ、先日、フランスを代表する俳優、アラン・ドロン氏・88歳で死去、のニュースが日本でも大きく報道されましたので、ネタにさせていただきます。

私が映画を見始めた50年ほど前、アラン・ドロンの日本での人気は凄まじく(ほぼ女性のファンだったと思いますが・・)、長く『ダーバン』のCMにも起用され、【ハンサムの代名詞】の様な存在でした。
当時、アメリカ映画ばかり観賞していた私にとって、東北訛りの様な、ボソボソと喋る(失礼!)フランス映画は退屈であり、ゾロッとした二枚目のアラン・ドロンは、正直云って、嫌い&苦手な俳優でした。
敢えて印象的な一本を挙げるなら、私のお気に入りの俳優の一人でもある、チャールズ・ブロンソンと共演した、男の友情を描いた犯罪映画・『さらば友よ』がおすすめです。

追悼 アラン・ドロン 男の友情を描いた犯罪映画【さらば友よ】

簡単なあらすじ

アルジェリア戦争帰りの軍医バランは、同じく戦争帰りのプロップの、次はコンゴに出かけて外人部隊で一儲けをしようとする誘いを断る。バランの友人の名を語る広告会社の女から、ひそかに持ち出して利用していた債券を会社の金庫に戻して欲しいという奇妙な仕事の依頼を受ける。見ず知らずの女から頼まれた仕事をバランは何故か黙って引き受ける。そこに金の匂いを嗅ぎつけたプロップが現れる・・・。

偏向的感想・見どころ

見ですが、『さらば友よ』は名作・傑作とは云えないし、ストーリー的にも無理があり、抜群に面白い作品でもないです。

しかしながら、主演の二人・・アラン・ドロン扮する冷静沈着でクールな軍医役、チャールズ・ブロンソン扮するワイルドで野性味あふれる傭兵役が、それぞれピッタリはまっていて、キャラクターが際立ち、二人の俳優としての魅力が存分に引き出されています。

この作品を評する多くの方が指摘されていますが、ラストシーンが最も印象的で、且つカッコよさに痺れます。 金庫破りに失敗し、厳しい尋問の末、(故意に・・)ブロンソンのみが警察に捕まります。警察に手錠をはめられて連行される際、ブロンソンが咥えた煙草にドロンが火をつけます。この瞬間ふたりは一切、目も合わせませんが、ブロンソンの両手はしっかりとドロンの差し伸べた手を覆います。 つまり、お前の事は決して警察に売らないし、口も絶対に割らない・・

因みにこの作品の3年後にドロン、ブロンソンに加え、『世界のミフネ』・三船敏郎氏の3人が共演したのが、異色の西部劇、『レッド・サン』です。荒唐無稽な作品ですが、飽きずに楽しめる娯楽作品です。

興味がある方は、是非ご観賞ください。

ご一読いただき、誠に有難うございました。

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