先日、立て続けに2本のB級アクション映画の新作を鑑賞しました。
何れもシリーズもので、キアヌ・リーブス主演の『ジョン・ウイック4』、デンゼル・ワシントン主演の『イコライザー3』です。
私はこの手のB級アクション映画も好んで観ます。
特に元CIAエージェントの殺し屋が主人公・・みたいな映画は大好物です。
どちらのシリーズも全作、見ましたが、『ジョン・ウィック4』は、だらだらと長く、空虚な内容&退屈な作品でがっかりでした。 第1作~3作はそれなりに面白かったのですが。
『イコライザー3』はデンゼル・ワシントンの卓越した演技力で、それなりに楽しめましたが、コラムに感想を書くほどには至りません。見終わって、スカッとした、程度の感想です。
上記の様な事情で、コラムに書く内容を迷っていたところ、先日、イギリスの名優、マイケル・ケイン(90歳)が引退を表明した、と云う報道が有りましたので、今回のネタにさせていただきます。 年齢を考えたら、引退も仕方のない事ではあります。
私が洋画を見始めた50年ほど前の1970年代から、ショーン・コネリーやロジャー・ムーア、リチャード・ハリスらと並び、イギリスを代表する俳優として、第一線で活躍してきた俳優です。
『ハンナとその姉妹』、『サイダーハウスルール』の2作品でアカデミー助演男優賞を受賞した名優でありながら、オファーがあれば、どんな作品にも出演してしまう、稀有な俳優なのです。
その様な背景から、中高生のころ、映画好きの友人と『イギリスの丹波哲郎』と揶揄していました。 丹波哲郎氏もオファーがあれば、どんな作品でも出演するタイプの俳優さんでした。
これは。。決して二人を馬鹿にしているわけでは無く、むしろ、法外なギャラをふっかけて、出演作を吟味する、ふんぞり返った俳優(マーロン・ブランドみたいな・・)よりも、この二人の姿勢の方が、私は好きです。
多分、両人ともお人良しなのでしょう。
前述のとおり、『ハンナとその姉妹』で1回目の助演男優賞を受賞した際、有力候補でありながら、『ジョーズ‘87・復讐編』みたいな、しょーもない映画のハバナでの撮影の為に、授賞式を欠席した、と云う愛すべきエピソードが有ります。
上記のとおり、作品を選ばない主義の俳優さんですので、出演作は多数に上ります。
近年では『ダークナイト』三部作のブルース・ウエイン=バットマンの、主人に忠実、かつ誠実な執事役が印象的です。
前述のアカデミー助演男優賞を受賞した2作品も好きですが、私のマイケル・ケイン出演作のお気に入りは、1972年製作の『探偵スルース』という作品です。
トニー賞を受賞した舞台劇を映画化した作品ですが、登場人物はマイケル・ケイン扮する、貧民出身のイタリア人・プレイボーイの美容師と、当時、イギリスの演劇界の重鎮として君臨していた、『サー』の称号を持つ、ローレンス・オリヴィエ扮する、著名な推理小説作家の、殆ど2名の出演で展開される、密室サスペンス劇です。
ストーリーの詳細は割愛させていただきますが、いわば、狐と狸のだましあいで、二転、三転どころではなく、何度もひっくりかえる面白さが有ります。
虚構と現実が交錯し、見ている観客をもだますサスペンスフルな展開が繰り広げられます。
また、男と男の闘いのドラマでもあり、人間のグロテクスさを抉り出した、きわめてブラックな人間ドラマともいえます。
大物俳優・ローレンス・オリヴィエに互角の演技合戦を挑む、マイケル・ケインがすごく良いです。
因みに、2007年にリメイクされた作品では、マイケル・ケインが推理小説家、ジュード・ロウがプレイボーイに扮しています。こちらも面白い作品に仕上がっています。
残念ながら、1972年の作品はDVD化されておらず、興味がある方はリメイク版をご覧いただければと思います。
いずれにしても、馴染の俳優達が次々と他界、または引退と云う報を聞くにつれ、一抹の寂しさを感じざるを得ません。
私の最も好きな俳優、ジーン・ハックマン(現在93歳)も2004年に引退を公言してから、出演作が無い状況です。
残るは御大・クリント・イーストウッドとジャック・ニコルソンのみ、といったところでしょうか。
ご一読いただき、誠に有難うございました。
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